1000分の1ミリの争いで日本一―。かんなを用いて薄削りと仕上がりの美しさを競う第31回「全国削ろう会 神戸大会」(5月・神戸市)で、愛媛県西予市三瓶町皆江の大工繁木俊忠さん(31)が頂点に立った。繁木さんは「まさか優勝できるとは思っていなかった」と笑顔で驚きを語った。
 大会は大工をはじめ建築関係の職人が技を競い合い、技術向上や交流を図ろうと毎年開催。3年前には宇和島市でも開かれている。
 「小学生のころから大工になりたかった」という繁木さんは大工の4代目。宇和島市の吉田高校建築科を卒業後にその道に進み、3年前から繁木建設で棟梁(とうりょう)を務める。現在は2級建築士と1級技能士の資格を生かし、三瓶地域を中心に一般家屋の新築やリフォームなどを設計から建築まで手掛ける。
 大会は長さ4メートル、幅60ミリのヒノキ材をかんなで削り、3カ所の薄さを測る。今年は全国から405人が出場。決勝は、絞られた6人が1人ずつ舞台に上がった。繁木さんは平均1000分の12ミリとなる12ミクロンを記録し、僅差で勝利した。
 22日は、西予市から全国レベルの大会で優秀な成績を収めた「キラリ西予大賞」を贈られ、市役所で実演を披露した。